EURYTHMICS「TOUCH」
2004年 08月 02日
1983年発表のユーリズミックスの3作目。
ヒット作で、ユーリズミックスの名前を世界に広めた「スイート・ドリームス」のあとに発表された。
1曲目の「ヒア・カムズ・ザ・レイン・アゲイン」のイントロが流れてくると、空間そのものがユーリズミックスの世界に変わる。このアルバムでは、アニーとデイブのそれぞれのパーソナリティが出ている。最もアニーらしい「フーズ・ザット・ガール」、デイブらしい「ライト・バイ・ユア・サイド」が、どちらも素晴らしい。
レコードでは、B面1曲目になる、「ファースト・カット」が、個人的には最も好きだが、全ての曲がシングルになってもいいくらいポップで、完成度が高い。
彼等の特徴は、デイブの超80年代的「ピコピコ」サウンドもあるが、やはり、アニーの特徴的なヴォーカル。繊細で、しかも力強く、堂々とした、「歌姫」というより、「女王」の風格。ソウルフルなヴォーカルスタイルながら、あんなに細い人は、それまでいなかった気がする。
対するデイブは、ソウルよりも、ブルーズの影響が強い、というのは、しばらくあとのソロアルバムを聴いてから気が付いたんだけど。意外と泥臭いアプローチの曲が、このアルバム以降増えている。
ヒット曲はそこそこあるし、知名度もないわけではないが、そんなにブレイクするようなバンドではない。知らない人もきっといるだろう。ただ、ちょっとしたBGMとかで使われていることが多い。聴いてみると、深みにはまるサウンドともいえる。私にとって彼等は、CDから、イントロが流れてくるだけで、部屋の空気が変わる、数少ないバンドである。
by saka-zuu
| 2004-08-02 19:09
| MUSIC