FOO FIGHTERS 『THE COLOUR AND THE SHAPE』
2005年 04月 06日
1997年発表の、フー・ファイターズの2作目。
このアルバムからのファースト・シングル曲であった『MONKEY WRENCH』が、突如KIRIN激生のCMソングに使われ、かっこよさを再確認させられている。
ニルヴァーナが、カート・コバーンの突然の死で消滅して、デイヴ・グロールが全ての楽器を担当して作られたのが、セルフ・タイトルのデビュー・アルバムであった。
本作では、デイヴ本人はギター・ヴォーカルに専念し、ベース、ドラムスはメンバーに任せる予定だったが、結局ドラムスは2曲を除いて、デイヴ本人が叩いている。
バンドとしては、誤算だっただろうが、ファンとしては「そうこなくっちゃ!!」という気持ちである。
ニルヴァーナ時代には、デイヴが曲を提供したりすることはあり得ないことだったのだろうが、フー・ファイターズを聴く限り、彼の”音楽家”としての才能は、多岐にわたる。
全ての楽器を担当出来る器用さはもちろんだし、それを生かす曲を作り出す能力と、なによりニルヴァーナとは違った、毒のないハードなロックン・ロールを意図的にではなく自然に作り出している。
それは、もちろんおとなしいということではなく、彼の別の(本来の)意味での魅力を表現する健全なロックが展開されている、ということである。
もしかしたら、それは世間に牙を剥いていた、当時のグランジ・ファンには受け入れがたいことかもしれないが、結果としてポップシーンに飲み込まれて解散を余儀なくされた、サウンド・ガーデンや、カート・コバーンと同じく、ドラッグに命を絶たれたレイン・ステイリーのアリス・イン・チェインズが、現在存在しないことを考えたら、正しい”選択”だったかもしれない。
このアルバム、というか彼らの曲全般のかっこよさは何者にも代え難い。
『MONKEY WRENCH』や、『MY HERO』、『ENOUGH SPACE』のスピード感はもちろん、『FEBRUARY STARS』の美しさ、『NEW WAY HOME』の盛り上がりも素晴らしい。
また、『SEE YOU』のような軽い曲が自然にとけ込んでいるのも、1作目からの進歩を感じる。
1998年1月、つまりこのアルバムが発売された直後の、彼らのライヴを”DORUM LOGOS”という、比較的小さなライヴ・ハウスで見ることができた。
サービス精神満点の、”善人”デイヴは、終始弾けまくっていたし、心配していたバンドとしてのまとまりはしっかりとあり、十分楽しませてもらった。
6月には、2枚組の新譜の発売が予定されている。
そして、フジ・ロック・フェスティバルにも出演が決定している。
今から、待ち遠しくて、今年の夏は彼らから目が放せない!!
by saka-zuu
| 2005-04-06 19:05
| MUSIC