平原綾香『The Voice』
2004年 12月 06日
ファーストアルバムが大ヒットした新人としては、9か月という異例の短いスパンでのリリースとなった、平原綾香のセカンドアルバム。
先々週だったか、偶然、彼女の声をテレビ・ラジオで3度も耳にした。
最初は、フジテレビの『とくダネ!』で、彼女の『Jupiter』が、地震のあった新潟のFM局でリクエストが多く寄せられているということで、ゲストとして来ていた。
次は、東京FMの『恵のDear Friends』という番組で、ゲストで来ていた。
恵さんに、「平原さんの歌を聴くと、おごそかな気持ちになる」と言われて、「お・ご・そ・か?」と、”おごそか”の意味が分からないというのは、今時の20才らしい所か。
そして、日曜6時フジテレビの『MUSIC FAIR』で、森山良子さんと一緒に出ていた。
そのどれでも、彼女の独特の雰囲気がでていて、とても良かった。
平原綾香の名前が有名になったのは、ホルストの『惑星』を独自の世界観で歌い上げたデビュー曲『Jupiter』であったが、ネットなどで見ていると、賛否両論。
”否”のほうは、「ホルストの『惑星』の良さを壊した」というクラシックに詳しいらしい人や、「音大生のくせに、高校生まで『惑星』を知らなかったのか!」というクラシックマニアのかたなど。
また、「声がわざとらしい」とか、「そんなにいい声じゃない」という、ごく個人的なことまで様々。
私は、クラシックの知識は全くないので関係ないし、声や歌唱力などに関しては、音楽の知識も小学生あたりで止まっているんで分からない。
”賛”のほうは、・・・いろいろと、お褒めをいただいていた。
私が音楽を聴く時に、最も重視するのは、その人(バンド)によって”空気”がかわるかどうかと言う点だ。
非常に抽象的でわかりにくいが、その音楽がかかることで、その空間を支配できるだけの”力”があるかどうか、という感じか・・・・。
とにかく、平原綾香の歌声には、その”力”を感じる。
そして、夜中に聴けばその空間の”空気感”を変えてくれ、昼間ならば、周りの雑音を一掃してくれる。
彼女自身の作詞の曲も多く入っているし、歌詞を見れば、いい物もたくさんある。
しかし、私自身、洋楽を中心に聴いているため、詞の内容をあまり重視して聴くことはない。
当然、彼女の歌をカラオケで歌うような暴挙に出ることもないため、そんなに気にしていない。
だからこそ、この”力”や”空気感”が重要なのだ。
かなり大げさなアレンジを施された曲も少なくないが、それに負けない彼女の歌声が、実に心地いい。
このアルバムは、多くのシングル曲が含まれ、そのほとんどが何らかのタイアップで耳にすることの多い曲が集められている。
その意味で、わかりやすく新鮮みは薄いかもしれないが、ばらばらに作られた曲が多い割に、よくまとまっている。
それは、彼女の独特の雰囲気が作り物でない、これ以上ない証拠だと思う。
by saka-zuu
| 2004-12-06 23:32
| 音楽