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貴重な毎日を浪費しながら、人生の約半分が過ぎた模様。これからも、いつの間にか過ぎていく時間を、傍観していく予定。


by saka-zuu
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TOM WAITS 『BIG TIME』

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1988年発表の、トム・ウェイツのライヴ・アルバム。
同名映画のサウンドトラックだが、映画の方は見ていない。
アルバムは、彼独特のしわがれ声の「Good Evening!」という声ではじまる。
その瞬間、空気は一瞬にして変わる。
スタジオアルバムならば、月明かりだけの薄暗いアパートメントになるが、ライヴアルバムなので、路地裏の小さな『BAR』であろうか。

曲は、主にアイランドレーベルから出された『ソードフィッシュ・トロンボーン』、『レイン・ドッグ』、『フランクス・ワイルド・イヤーズ』からだが、個人的に大好きな「ルビーズ・アームズ」や「レッド・シューズ」など、アサイラム時代の物も取り上げられている。

この頃のトム・ウェイツは、役者としても活躍していて、フランシス・コッポラや、当時はあまり日本では有名でなかったジム・ジャームッシュの映画などに出演していた。
この演技経験が、以後のトム・ウェイツの音楽性に更に幅を持たせることになる。
それは、アイランドに移籍してからの、バラエティに富んだアルバムでもわかる。

この『ビッグ・タイム』は、ライヴという限られた空間で、限られたマテリアルを使って演奏することで、時代の違う曲同士が、見事にまとめられている。

私だけではないと思うが、トム・ウェイツのアルバムを昼間に聴いたことがない。
正確に言うと、聴こうと思わない。
夜、暗くなれば、彼のアルバムをかけるだけで、部屋の空気が変わる。

どんなに悲しくても、どんなに辛くても、また、どんなに楽しくても、彼の歌声は私の一日を静かに終わらせてくれる。

・・・ちょっとだけ、詩人を気取ってみたくもなる。
by saka-zuu | 2004-10-15 22:53 | MUSIC