貴重な毎日を浪費しながら、人生の約半分が過ぎた模様。これからも、いつの間にか過ぎていく時間を、傍観していく予定。


by saka-zuu
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カテゴリ:MUSIC( 114 )

FOO FIGHTERS 『IN YOUR HONOUR』

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前作から、2年半振りにリリースされた、フー・ファイターズの5作目のアルバム。
”元ニルヴァーナの”と言わなくてもいいくらい、デイヴ・グロールはビッグになった。
フー・ファイターズ自身も、既に10年という長い期間活動しているし、サウンドそのものも、完成の域に達している感がある。
ただ、前作まではメンバーの入れ替わりが激しく、CDの音は”バンド”というよりも、”デイヴのソロ・プロジェクト”という印象が強かった。
そういう意味では、前作のメンバーがそのまま残ったこのアルバムによって、彼らが初めてバンドとして機能し始めたとも言える。
このアルバムが2枚組になったのも、このメンバーでどこまで出来るかを試したら、20曲の素晴らしい作品が出来上がったということなのだろう。
それは、デイヴにとっても、バンドにとっても、ある意味”賭け”だったかもしれない。
もしかしたら、極限までバンドを追い込んだら、空中分解するかもしれない危険を孕んでいたかもしれない。
しかし、この4人はそれを乗り越え、本作を生み出すことに成功した。
もう、デイヴがスティックを握らないというのは、ちょっと寂しいが、彼のヴォーカル、ギターがこのバンドのアイデンティティになっているし、テイラー・ホーキンスのドラムにも不満はない。

シングルカット曲の『BEST OF YOU』は、アルバム発売前からFMでヘヴィーローテーションで期待を煽りまくっていた。
プレイヤーから出てくる1曲目のタイトル曲は、始まっても盛り上がりをじらしにじらして、2曲目の『NO WAY BACK』で一気に爆発する。
1枚目のラスト(Bトラック除く)は、いつものように最高の盛り上がりを作る大作『END OVER END』で締めくくる。
2枚目は、これまでの彼らのサウンドを踏襲しながらも、ノラ・ジョーンズやジョン・ポール・ジョーンズをゲストに迎え、懐の深さを見せつけてくれる。
サウンドの指向は違えども、完全に彼らは自身のサウンドを完成させている。
このアルバムは、現時点での最高傑作と言って間違いないだろう。

私自身の不満があるとすれば、1枚目を”ロック”、2枚目を”アコースティック”に分けてしまったことだ。
完全に、別々に分けたことで、一息ついて(油断して?)、一気に聴けないことがちょっと不満・・・・。
1枚目の後半は、サウンドこそハードだが、スピードに任せて、という曲は少ないし、これまでもアコースティック指向の曲がなかったわけではないし・・・・。
せっかくだから、うまく並べ替えたり、多少アレンジをいじっても、全体を一つの作品としてまとめて欲しかった。
これだけ全体のクオリティが高いのだから、あっという間に聴けてしまうと思うんだけど。
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by saka-zuu | 2005-07-14 21:28 | MUSIC
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ファースト・アルバムから、ちょうど1年後に発売された、ジ・オーディナリー・ボーイズのセカンド・アルバム。
実は、このバンドの存在は知っていたが、ファースト・アルバムを持ってない。
このセカンド・アルバムを手にしたのは、FMでたまたまかかったシングルの『BOYS WILL BE BOYS』を聴いて、「おっ!!」と思ったから。
初回生産分のみ、1980円ということで、慌てて買いに行った。
巷では、このバンドの、特にこのアルバムのサウンドが『なにかに似てる』と話題なようだ。
たしかに、曲によってはクラッシュにも似てるし、スミスにも似てるし、スペシャルズに聴こえなくもない。
私が最初に思ったのは、「おっ、マッドネスの再来か!!」であった。

イギリスと言う国は、本当にイキのいいバンドがよく出てくる。
その多くは、1枚のアルバムで全てを出し尽くして消えてしまうのだが、このバンドはセカンド・アルバムまでその鮮度を保っている(ようだ)。
たしかに、スカ/レゲエの要素をふんだんに取り込んだサウンドは、目新しいものではないし、それこそ革命を起こすほどのインパクトもない。
しかし、それが悪いということは全くなく、ここで比較されるクラッシュやスミスが特異であったにすぎない。
もしかしたら、このまま大きくなってオアシスのようなモンスター・バンドになるかもしれないが、そのオアシスもビートルズとの相似点は指摘するまでもないし、『売れることが正義』の世界では、こういうサウンドも結果的に受け入れられればいいだけの話である。

これだけロックという音楽が洗練され、一般化すると、目新しいものを求めることが難しくなる。
果たして、本当に目新しいロックが生まれたとして、私自身が真っ向から受け入れられるものか、正直自信がない。
そういう人間は、こういうバンドを素直にかっこいいと思ったら、喜んで聴くのが正解である。
ただし、単なる猿真似バンドかどうかを聴き分ける耳は、常に持ってなければいけないが。
その上で、好きな音に出会ったら四の五の言わずに聴けばいいのだ。
そして、楽しんだ者だけがこれから、じじいになってもロックを聴き続ければいい・・・・。
私は、白髪だらけになっても、つるっぱげになっても、ロックを支持し続けるぞ!

あんまり、このアルバムと関係のない文章になってしまった・・・、まあ、いいか。
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by saka-zuu | 2005-07-13 20:45 | MUSIC

MUSIC BATONだって?

teacherteacherさんから、『MUSIC BATON』というのが、回ってきた。
なんでも、音楽に関する質問に答えて、更に5人のブログ仲間にTBして、
「みんなで広げよう〜、MUSIC BATONの輪っ!!」
ってことらしい。
質問は楽しいものなので、問題ないが、TBする相手がいないなあ・・・・。

それでは、始めましょう〜、ぱちぱちぱちぱちっ。

1)コンピューターに入っている音楽ファイルの容量。
13.9GBで、3140曲らしい。
う〜ん、我がiBookのHDの約半分は音楽ファイルだったのか・・・、愕然。
音楽をPCで聴くというより、車のCDチェンジャー用に編集するために貯めているようなもの。
車通勤なので、iPodもあまり活躍していない。

2)今聴いている曲
なぜか、ジャーニー。
『ドント・ストップ・ビリービン』『セパレイト・ウェイズ』

3)最後に買ったCD
OASIS 『DON'T BELIEVE THE TRUTH 』
明日、フー・ファイターズとジャミロクアイのCDを買いに行く予定なんだけど・・・・。

4)よく聴く、または特別な思い入れのある5曲
以前、個人的なベスト10をブログで発表したことがあるが、今回は違う曲を選んでみた。
ちなみに、順不同なので、ランク付けはしていない・・・・。
●『BAND ON THE RUN』ポール・マッカートニー&ウィングス
●『IMITATION OF LIFE』 R.E.M.
●『JERSEY GIRL』トム・ウェイツ
●『LIKE NO OTHER NIGHT』.38スペシャル
●『SWEET DREAMS』ユーリズミックス
あ〜、コメントしづらい5曲を選んでしまった〜。
まあ、こんな変わった趣味の持ち主だってことで・・・・。

TBはどうしよう〜〜。
ピラ政へようこそ
エンスー漫画家、田中むねよしblog
the borderland
Inner Ocean
音楽に関係ないブログの方もいらっしゃいますが、いちおうバトンを渡しときます。
よろしくお願いします!!
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by saka-zuu | 2005-06-20 20:38 | MUSIC
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3年振りになる、オアシスの6枚目の新作が発売された。
このアルバムの特徴は、初めてメンバー全員の曲が収録されたことであろう。
これまで、『オアシス王国』の絶対君主として君臨してきたノエル・ギャラガーが、オアシスというバンド自体を”家族”とでも言うべき、運命共同体へと導こうとしているのだろうか。
各所のインタビューで、「ファーストを除いては最高の作品になった」と言っているのはいつものことだが、こういう形でリリースされたのは、実に興味深い。

オアシスがこれ程のモンスターバンドになったのは、もちろん作品の素晴らしさが世界中で受け入れられたからに他ならないが、『BE HERE NOW』以降の彼らは、自らの音楽のスケールを大きくすることに成功したが、私にとっては、いささか退屈な面も見えていた。
それは、デビュー作『DEFINITELY MAYBE』の、まるで手を伸ばせばそこにあるような、臨場感とでもいうべき、リアリティのあるサウンドがなくなってしまったからだと思う。
2作目の『(WHAT'S THE STORY)MORNING GLOLY?』の大成功で、彼らがライヴハウスで勝負するバンドでなくなったからかもしれない。
また、バンドの成長が、私の勝手な考えとは違う方向に行っていて、単に私自身がいじけていただけなのかもしれない。

本作を聴いて思ったのは、巨大化してモンスターになってしまったオアシスの姿ではなくなっていたこと、であった。
もちろん、作品の質は相変わらず高い。
しかし、以前の作品のように、ず〜っと向こうのステージで大観衆の前で演奏しているスタジアムバンドとしてのオアシスではなく、彼らが目の前にいるようなイメージが戻ってきたのだ。
ファーストアルバム発売直後の作品、と言っても驚かないかもしれない。
これがノエルの意志だとすれば、相変わらずの”王様ぶり”だが、それもオアシスの正しい姿なのかもしれない。

FMで、死ぬ程聴かされているが、確かにストーンズと言われればそうかもしれない、ファーストシングルの『LYLA』のように、相変わらずかっこいい曲がずらりと並ぶ。
『MUCKY FINGERS』のように、リズムの強烈に心地よい作品もあって、どれもライヴハウスが似合うような作品に仕上がっている。
彼らの本領が、スタジアムライヴではなく、小さなライヴハウスであるのは明白なので、出来れば本作を引っさげて、ライヴハウスツアーを行ってもらいたい。
多分、チケットをとるのは至難の業であろうが・・・・。


  ちなみに5曲目の『THE IMPORTANCE OF BEING IDLE』を聴いて、”水戸黄門”を思い浮かべたのは、私だけであろうか・・・・。
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by saka-zuu | 2005-05-31 23:20 | MUSIC
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ブルース・スプリングスティーンの、3年ぶりの新作。
前作との間に、ベスト盤が発売になっているので、久々という感じはしないが、前作がTHE E STREET BANDを率いての”ロックン・ロール”アルバムであったのに対して、本作は最小限のメンバーで録音されている。
前評判では、『NEBRASKA』や『THE GHOST OF TOM JOAD』に近いと言われていたが、個人的な印象では、『TUNNEL OF LOVE』に最も近い印象を受けた。
それでも、彼の作品の中では、やはり地味な印象は否めないが、絶望的な暗さはない。

今作は、ブルース自身の、ヴォーカリストとしての表現力が最大限発揮されている、という印象を受ける。
もちろん、今までもパワーで聴く者を引き込んだり、感情を表現することには格別の能力があったが、時にそれは強引さを垣間見せていた。
しかも、『THE GHOST OF〜』のような作品では、日本人の私などは全く理解の及ばない内容であって、正直あまり強い印象を受けることはなかった。
それが、今作では、曲毎に歌い方を変えたり、ヴォーカルトラックの音量を変えたりして、自然に曲が聴けるような工夫がなされている。

今更、ブルース・スプリングスティーンに対して、評価うんぬんもないが、この作品は、アルバム自体のクオリティが高いだけでなく、間違いなくどの曲も単独で素晴らしいということが言える。
それは、シングル・カット出来る、という意味ではなく、全曲がそのわずか3〜5分程で短編小説のように完結しているということ。
確かに、派手さはないが、一度聴いただけでもその良さは十分感じ取れるし、何度か聴き続けるうちに、また新しい発見がありそうな、じつに味わい深い作品である。
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by saka-zuu | 2005-05-16 21:31 | MUSIC

JOURNEY 『FRONTIERS』

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1983年発表の、ジャーニーの8作目(そんなに出してたか?)。
前作『ESCAPE』が大ヒットした後だけに、バンドとして、最も勢いがあった時期の作品と言えるだろう。
個人的にも、最も良く聴いたアルバムであるし、最も好きなアルバムでもある。

このアルバムからのシングル第1弾で、オープニングを飾る『SEPARATE WAYS』の格好良さは、格別だ!
イントロから、「これでもか!!」とでも言いたげな過剰なアレンジが炸裂するが、それがおおげさでなく、当たり前と思えるのが、ジャーニーの良さ。
前作から加入した、キーボードのジョナサン・ケインの影響が大きいのだろう。
単なるハードロックでもなければ、シンセサイザー中心のポップロックでもない、ジャーニー独特の世界が、このアルバムには広がっている。
また、前作の『OPEN ARMS』のヒットで気を良くしたのか、このアルバムでも『FAITHFULLY』という、名バラードが入っていて、ファンの期待を裏切らない。
もちろん、『SEND HER MY LOVE』のような、美しいメロディを持った曲もあるし、『CHAIN REACTION』や、『EDGE OF THE BLADE』のような、ハードな曲も聞き逃せない。
個人的には、ラストの『FRONTIERS』から、『RUBICON』への流れが絶妙で心地いい。

この後、ヴォーカルのスティーヴ・ペリーがソロ・アルバムを出したりして、バンドは一時期活動を休止してしまう。
復活したジャーニーは、このころの勢いを取り戻せずに、いまや”懐メロバンド”と化してしまった。
この間の来日公演は、スティーヴ・ペリー抜きという、悲惨なものだったらしいが、いつか、この頃のメンバーで来日してくれたら、きっと足を運ぶことだろう。
一緒に歌うよ、「せんど、は〜、まいらあ〜〜ゔ」って。
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by saka-zuu | 2005-05-06 23:59 | MUSIC
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1982年発表の、トーマス・ドルビーのデビュー・アルバム。
邦題は、『光と物体』という???なもの。
当時、彼の12インチシングルを集めたミニアルバムも『動くサイエンス』という、よくわからない邦題を付けられていたと思う。

サウンド的には、”テクノ”と言うのかもしれないが、独自の雰囲気を醸し出している。
『AIRWAVES』や、『EUROPA AND THE PIRATE WTINS』など、メロディアスで美しい曲もいいが、やはり彼の代表曲は『SHE BLINDED ME WITH SCIENCE(彼女はサイエンス)』だろう。
・・・誰だ?こんな邦題を付けたのは。
この曲は、ダンス・トラックとして注目され、日本でも紹介されて知ったのだが、かなり異色だ。
このアルバムには、矢野顕子さんも参加しているが、彼自身の方向性としては、坂本龍一さんや、当時のY.M.O.に近いものであったのかもしれない。
現に、このアルバムのしばらく後に、教授と『FIELDWORK』という曲で、競演している。
彼自身の成功が、ダンス・トラックのヒットから生まれたものなので、彼本来の指向とは違うファンがついてしまったために、ずいぶんと損をしているかもしれない。

その後、数枚のアルバムを出しているが、どこかふっきれていない印象を受ける。
しかし、彼の本質は、単なるサウンド・クリエイターではなく、メロディメーカーである。
全編にわたって、曲の素晴らしさが感じ取れる、実は名曲ぞろいのアルバムである。
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by saka-zuu | 2005-04-27 22:18 | MUSIC

KULA SHAKER 『K』

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1996年発表の、クーラ・シェイカーの”衝撃の”デビュー・アルバム。
最近、たまたまFMでかかっていたのを聴いて、久しぶりに引っ張り出して見たら、またまたはまってしまった。
その時の曲は、当然『HEY DUDE』なのだが、私が彼らを知ったのも、この曲であった。
「何?これ、すげえ〜かっこいいやんか!!」というのが、正直な感想。
その時は、バンド名も曲名もわからずに、なんだか奥歯にものが挟まったような気持ちの悪さと、何としても探し出そうと言うワクワク感が交錯したのをよく憶えている。
程なく、日本でも紹介され出し、彼らのアルバムを手にするわけだが、その時も、かなりのショックを受けた。
「何だ?この、インド音楽のようなのは??」
1曲目の『HEY DUDE』を聴いた後に出て来た、『KNIGHT ON THE TOWN』、『TEMPLE OF EVERLASTING LIGHT』は初めて聴いた時には、かなりの違和感があったのは確かだ。
しばらく聴き続けて行くと、この”ロック”と”インド音楽”のバランスが絶妙であることに気付くのだが、これは個人的には初めての感覚であった。
もちろん、以前にもビートルズ及び、ジョージ・ハリスンがインド音楽に触発された作品を発表してはいるが、クーラ・シェイカー程、バンドそのもののアイデンティティとして、昇華されてはいなかったと思う。
そう言う意味では、凄く革新的なバンドであったのかもしれない。

さて、シングルになった『HEY DUDE』、『GRATEFUL WHEN YOU'RE DEAD』、『TATTVA』と言った曲のクオリティの高さは言うまでもないが、個人的に最も好きなのは、7曲目の『INTO THE DEEP』。
全体的にドラマチックな展開が、美しい。

セカンド・アルバムの『PEASANTS,PIGS & ASTRONAUTS』も素晴らしいアルバムであったが、結局、わずか2枚のアルバムを残して解散してしまう。
ヴォーカルのクリスピアン・ミルズは、THE JEEVASというバンドで、今も活躍しているが、クーラ・シェイカー程の衝撃を与えることは、二度と出来ないだろう。
心残りは、クーラ・シェイカーの福岡公演に、仕事の都合で行けなかったこと。
あ〜、何だか今になって悔しくなって来たなあ。
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by saka-zuu | 2005-04-26 19:51 | MUSIC
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2002年発表の、元アリス・イン・チェインズのギタリスト、ジェリー・カントレルのセカンド・ソロ・アルバム『DEGRADATION TRIP』の完全盤。
もともと、2枚組として作成された本作であるが、レコード会社の都合でまず”ダイジェスト盤”とも言うべき1枚が発売され、しばらく経ってからこの”完全盤”が限定盤という形で発売された。

このアルバムが発表された時期が微妙。
アルバム完成時点では、レイン・ステイリーは生きていて、あくまでも”アリス・イン・チェインズのジェリー・カントレル”だったのだが、発売直前にレインの死亡が確認され、このアルバムの意味合いが変わってしまった。

アリス・イン・チェインズに於けるレイン・ステイリーの存在は、絶対的ではあったが、曲やサウンドに関しての主導権を握っていたのは、明らかにジェリー・カントレルであった。
ソロ1作目では、アリス・イン・チェインズとは、違うものを意識的に作っていた節があるが、本作は彼自身のサウンドを追求した結果、アリス・イン・チェインズにかなり近い仕上がりになっている。
ただし、重く暗い雰囲気は変わらないが、『SPIDERBITE』や、『LOCKED ON』のように、ポップとまでは言わないが、ドラマチックな展開の曲なども、収録されている。

最初に発売された1枚ものも、”入門盤”としては悪くはないが、やはり”完全盤”の出来が素晴らしい。
決して、ボーナストラック的に曲を増やしたものでなく、本来の形と考えると、”完全盤”を限定盤としたのは、明らかにレコード会社のミステイクだ。
”完全盤”でしか聴けない11曲が、このまま葬り去られてしまうのは、実に惜しい気がする。
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by saka-zuu | 2005-04-22 20:47 | MUSIC
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1995年に、セルフタイトルで発表された、事実上彼らのラスト・オリジナル作品となった3作目。
アメリカで発売されたジャケット(写真)の”3本足の犬”が、差別的表現があるという理由で、日本ではずいぶん遅れて真っ白なジャケットに差し替えられた、曰く付きのアルバムである。
こういうアルバムを買う人は、まず輸入盤を扱うCD屋にも通っているはずなので、目にすることも多いと思うし、かえって話題作りになってしまうと思うのだが・・・・。
私は、とっとと輸入盤で購入していたが、日本盤を待っていた人は、ずいぶんと歯がゆい思いをしたことだろう。
とにかく、音がもの凄いのだから!!

彼らの音を評して、”どろどろ”であるとか、”おどろおどろしい”という表現が使われることから、ブラック・サバスと相似点があると言われることがある。
確かに、サウンドは暗く、思い、という共通点があるが、決定的な違いは、ブラック・サバスが”悪魔”や、”呪い”などという、ある意味”ファンタジー(?)”の世界を表現していたのに対し、アリス・イン・チェインズが、”現実”を表現していることだろう。
よくもまあ、これだけ陰鬱でポップさの欠片もないアルバムが売れたものだと感心する。
同時期に活動していたグランジ・バンドの中では、最もヘヴィ・メタル寄りのサウンドであるが、相当ポップなはずの『AGAIN』までもがおそろしい程重い。
ジェリー・カントレルの紡ぎ出すギターサウンドと、レイン・ステイリーの地をはうようなヴォーカルが、あまりにもマッチしすぎていて、陰鬱なはずの曲が、なぜか高揚感を感じるのが不思議だ。
その重苦しいサウンドの中で、あまりにも美しい『HEAVEN BESIDE YOU』が、不気味な静けさを出していて、余計におそろしさを増している。

なんだか、彼らがとんでもなく”暗い”とか”重い”とか、ネガティブな感じがするが、それは間違いではない。
そして、そのネガティブを一手に引き受けてしまったのが、ヴォーカルのレイン・ステイリーだ。
彼自身が背負い込んだ現実から逃避することが、ドラッグだったのかどうかは、わからない。
我々聴く側は、生死を賭けることなく、その”現実”を”作品”として聴くことが出来る。

2002年4月19日にレイン・ステイリーの遺体が発見された。
検死の結果は、コカインとヘロインの過度の摂取による中毒死で、4月5日には亡くなっていた可能性が高く、発見時には腐敗が始まっていたという・・・・。
カート・コバーンの死と、レイン・ステイリーの死は、全く別の”事件”であるが、アーチストとして二人を敬愛している身としては、同じように何かの終焉を感じた。
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by saka-zuu | 2005-04-20 22:18 | MUSIC