貴重な毎日を浪費しながら、人生の約半分が過ぎた模様。これからも、いつの間にか過ぎていく時間を、傍観していく予定。


by saka-zuu
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カテゴリ:MUSIC( 113 )

Joe Jackson『Body And Soul』

a0034589_17192675.jpgゴールデンウィークは、家にいて、掃除をしたり、洗濯をしたり、亀の世話(水槽洗うだけだけど)をしたり、世間の浮かれ具合とは全くかけ離れた、地に足をつけた毎日を送っている。
出かける予定もないし、CDでも聴いてよう。

ジョー・ジャクソンという人をご存知だろうか?
アメリカやイギリスに行けば、あまりにも普通な名前のアーチストだが、彼の作る音楽は、全く”普通”ではない。
デビューアルバムの『LOOK SHARP!』は、パンク/ニューウェーブの頃に出たので、かなりロック色の強いアルバムであったし、その後のアルバムも、ジャズ、ファンク、レゲエなどを取り入れたバラエティに富んだものである。
とまあ、いい書き方をすればこうだが、出てくるアルバムが、毎回色合いが異なっているので、実につかみ所がない。
かといってそれらがクオリティ的に低ければ、ばっさり切り捨てられるのだが、恐ろしくクオリティの高いものであるので、始末が悪い。
例えば、毎回聴く方の期待を裏切らず、欲しているものをきっちり作ってくれるアーチストであれば、その日一日そのアーチストを聴いていれば、私は幸せなのだ。
しかし、これだけ趣の違うアルバムを、連続性なく作られると、聴いていて『一日ジョー・ジャクソン』、という気分にならない。
逆に、『毎日ジョー・ジャクソン』になってしまって、それはそれで困りものである。

そんなジョー・ジャクソンの、通算6枚目のアルバムが『Body And Soul』である。
発表されたのが1984年で、私が一番音楽をよく聴いていた時期である。
彼のアルバムとしては、前作の『Night & Day』の次に聴いたのだが、出色なのは、シングルヒットした『You Can't Get What You Want (Till You Know What You Want) 』と、『Happy Ending』の2曲。
毎回色合いが違うと書いたが、このアルバムは前作のイメージを踏襲し、ホーンをかなりフューチャーし、さらに洗練させた作りになっている。
そういう意味では、前作と本作は彼の歴史の中では、唯一連続性のある作品といえる。
ソニー・ロリンズのパロディのジャケットもいい。
夜、一人でスコッチ片手に聴くのも良し、雰囲気のいいBARで、グラス片手に飲むも良し。
私には、あまり縁のないシチュエーションだけれど・・・・。
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by saka-zuu | 2008-05-04 17:48 | MUSIC
a0034589_19155390.jpgBullet For My Valentine、2年ぶりの新作。
かなりの紆余曲折を経て発表されたようだが、勢いはそのままに、成長を見せている。
音楽を分類するということは、あまり好きではないので、『ヘヴィメタル界の雄』とか言われているのは違和感があるが、確かに最近あまり元気のない(?)ヘヴィメタル界にとっては、救いの神的作品ではないだろうか。

1曲目で、タイトル曲の「Scream Aim Fire」のイントロのドラムからして、パワーがみなぎっている。
ヴォーカルが、喉の病気明けと言うことで、若干抑え気味だが、このアルバムは、それがいい方に出ている。
2曲目の「Eye of the Storm」、6曲目の「Deliver Us From Evil」あたりは、実にこの抑えたヴォーカルが、迫力を増幅している。
それと同時にメロディアスさが際立つ「Hearts Burst Into Fire」、「Forever and Always」でのポップさは、1stが好きだった人からしたら、賛否両論だろうが。

彼らがちょっと変わっているのは、今のイギリスから出てきたことだ。
イギリスでは、流行とは別に、あらゆる音楽がでてくるのではあるが、ここ最近こういうヘヴィな音は出てきていない気がする。
シンプルなパンクっぽいわかりやすい音が多く出てきてはいるが、メロディアスで、ハードで、それでいて流行もの的ではない、こんな音は大好きだ。
今回の来日公演には行けなかったが、出来れば福岡に来てくれないだろうか。
これから(既に?)期待の大きいバンドが出てきて、うれしい限りだ。
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by saka-zuu | 2008-04-29 19:38 | MUSIC
a0034589_14111116.jpg
昨年、ブログを中断する直前にここで書いたのが、アークティック・モンキーズの1stアルバムの話であった。
この2ndアルバムが発売される直前のタイミングでもあり、このアルバムのことも書く予定であったのだが・・・・。

ということで、昨年春に発売された『Favourite Worst Nightmare』
すでに、1stアルバムで十分すぎるほどの才能を見せつけた彼らが、1年ほどのインターバルで2ndを発表してきたのは、異常なスピードと言える。
彼らからすれば、アイデアが溢れ出すぎて、どんどん形にしたかった、のかもしれないが、・・・さて。

先行シングルの『Brianstorm』のイントロから、思いっきり『アークティック節』炸裂!
1stと同じく、全編押しまくるのかと思いきや、若干聴かせる曲も織り交ぜるという、小器用さも見せる。
シンプルで、”走りまくる”ギターと、スピード感溢れるリズムの絶妙なバランスは健在。
1stとのあからさまな違いを見いだせぬが、彼らの特徴はしっかりと残したままの期待通りの音を楽しんだのだが・・・・。

昨年、私も足を運んだ『Summer Sonic 07』の”とり”が、彼らだった。
フェスでの珍道中はまたの機会に書くとして、メインで登場した彼らの勢いは、凄まじかった。
まだまだ初々しいステージングで、2枚のアルバムの曲をまんべんなく演奏し、約1時間程のステージを一気に聴かせた。

アルバムのイメージも、ライヴのイメージも、圧倒的に素晴らしい!
ただ、何かが足りない・・・・。
それは何か????
・・・彼らのせいではないのだが、どうも今後の展開が見えてこない。
もしかしたら、次にものすごい隠し球を用意しているのかもしれないし、1stアルバムが売れたから、とりあえず、2ndもその方向で、となったのかもしれないが。

次に必要なのは、変化を付けるプロデューサー?
グリーン・デイや、マイ・ケミカル・ロマンスのように、コンセプト性を持たせることが正解だとは全く思わないが、このままの音を鳴らし続けることが、彼らを支持しているファンの求めているものとは違う気がする。
・・・私の身勝手なわがままだとは思うけれど。
ただ、これだけの音を作れるバンドなので、どのような形にせよ、次が楽しみなのは言うまでもない。
このアルバムに満足しつつも、不安を持ちながら、次に期待を持たせる、私にとっては、ある意味理想的なアーティストと言えるだろう。
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by saka-zuu | 2008-04-25 14:50 | MUSIC
a0034589_23114095.jpg昨年、衝撃のデビューを飾った、アークティック・モンキーズの1stアルバム。
最近のイギリスのロック界は、こういうソリッドでシンプルなバンドが多くなってきた。
じっくり聴くようなものよりも、思わず体が動きだす音楽本来の本能に訴えかけるものが支持されるようになったのだろうか?

彼らの話とはすれるが、イギリスという国は、音楽の自浄作用がうまく働くところで、シンプルなものが台頭すると、大作主義的なものが出てきて、それが多くなってくると、またシンプルなものに戻る。
プログレを破壊したセックス・ピストルズであったり、そこから派生したニューウェーヴを一瞬のうちに駆逐したスミスであったり。
単に批判的な脳みそだからかもしれないが、批判を形に出来ることがまさに”ロック”だと思う。

最近の流れは、完全にストロークス、リバティーンズあたりから始まっている。
これは、なにかの反動ではないように見えるが、個人的にはラップやR&Bだらけのアメリカのチャートよりも健全な流れだと思っているが・・・・。
そんな中で、彼らの音は実に新鮮に聴こえる。
とにかくシンプルで、練りに練ったギターが、ぐるぐるとめまぐるしく走り回る感覚は、これまでに経験したことがないものだ。
とくに目新しい手法ではないかもしれないが、それでもこれほどメロディアスなギターを全編に散りばめられることが凄い!!と、感心してしまった。

アートワークのチープさなんかは、もしかしたら意図的なものかもしれないが、タイトルの長さはどうなんだ?
これもイギリス人独特の皮肉なジョークだとしたら、やはりこいつらただものではない。

今週発売の2ndアルバムが楽しみだ!!
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by saka-zuu | 2007-04-15 23:39 | MUSIC
a0034589_2354957.jpgアップルのiPodのCMで話題の、THE FRATELLISのデビュー作。
新人らしからぬ、非常にレベルの高いアルバムで、ふるさと新しさが見事に調和している。
アルバムタイトルは、「エルビス・コステロが好きだから」という、とても大の大人とは思えない幼稚な理由らしいが、そんなちょっとずれた所も、魅力的だ。

まず、素晴らしいのは、アートなアルバムジャケット。
安っぽくも見えるが、それを狙っているようにも感じられる。
レコード(ロック)、酒、タバコ、そしていい女・・・、いいじゃないか、楽しければ!!
そんな雰囲気が、サウンドにも表れされている。

最近のイギリスは、パンクスタイルのポップバンド(ブリットロックとは言いたくないから)が多く排出され、活況を呈している。
そんなムーブメントの中から出てきたように見えるが、サウンドはかなり独特。
ベースにあるものは、パンク以前のブルース、R&B、カントリーなどなど。
要するに、分類不可能なバラエティに富んだアルバムと言える。
わかりにくいようだが、結局は楽しければそれでいいのだ。
話題の『FLATHEAD(気取りやフラッツ)』の分かりやすいかっこよさから、敢えてパンクっぽい作品だけにしなかったという通り、曲のイメージはかなりバラバラだ。
しかし、この特徴あるサウンドが、今後の展開を難しくしているかもしれない。
別に私が心配する必要はないのだが、次にどんな作品が出てくるか・・・・。
まあ、今はそんなことより、このアルバムをたっぷり楽しめればいいのかもしれないな。
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by saka-zuu | 2007-04-09 00:09 | MUSIC
a0034589_19283570.jpg期待半分、不安半分の気持ちで購入した、グッド・シャーロットの通算4作目。

彼らのCDを最初に手にしたのは、2作目の『THE YOUNG AND THE HOPELESS』であった。
メロディの美しさはもとより、メリハリのあるギターサウンドが心地よく、今でも愛聴している。
しかし、その後に発売された3作目の『THE CHRONICLES OF LIFE AND DEATH』が、個人的にはがっかりの内容であった。
最初に聴いた感想は、「・・・メロディがない」であった。
ダンスサウンドを意識したためか、リズムが平板で、全くメリハリがなくなっていて、退屈極まりないアルバムであった。

そして、この4作目である。
プロデューサーをデビューアルバムのドン・ギルモアに戻していると聴いて、昔のロックサウンドを期待したが、かなりの部分裏切られた。
”かなりの”と書いたのは、このアルバムが前作程、退屈なものではなかったからだ。
それは、メロディが生きていて、彼らのサウンドがある意味、方向性を完全に見いだしたからかもしれない。
前作の失敗(個人的には)は、彼らがプライベートでDJをやっているということで、ダンス、クラブシーンを意識していたからだと思う。
自分たちのスタイルが、ギターサウンドのロックだったにも関わらず、それをやったために、リズムとメロディ、楽器のバランスがとれず、結果メリハリのないものになっていたのだろう。

では、今作はどうか?
正直言うと、私の好みのサウンドではない。
もう、グッド・シャーロットは、私の好きなギターサウンドのメロディアスなバンドではなくなったのだろう。
但し、このアルバムは悪くない。
聴き込む程に、”理解出来る”という意味での、良さがにじみ出てくる。
シングルになった「KEEP YOUR HANDS OFF MY GIRL」など、いい例で、曲は悪くないし、なんとなく彼らもこのサウンドにマッチしてきた感じがする。
本当なら「MISERY」なんか、思いっきりギターをギャンギャン鳴らして、パンクっぽくやって欲しかったが、これが彼らのスタイルになったのだろう。
ボーナストラックの「FACE THE STRANGE」のみが、わずかにパンク色を残しているのが、救いか・・・・。
しかし、それを聴けたばかりに、もう一度本当のロック・アルバムを作って欲しい気持ちが捨てきれないなあ。
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by saka-zuu | 2007-04-01 19:56 | MUSIC

RADIOHEAD『OK COMPUTER』

a0034589_22153852.jpg1997年発売の、彼らの通算3作目。
すでに、発表から10年が過ぎるが、いまだに鮮烈なイメージを失わない名盤。

個人的には、初めて手にした彼らのアルバムである。
その後、以前のアルバムも買ったが、この作品程の強烈な印象を得ることはできなかった。
その後のアルバムもかなり印象的だが、やはり彼らに対する最初のインパクトは大き過ぎた。

「どこがどのようにすごいか?」というと、1曲目の「AIRBAG」のイントロだけ聴いていただいてもわかるだろう。
これほど印象的なギターイントロは、イーグルズの「ホテル・カリフォルニア」に匹敵する、と思う。
最初に聴いた時は、全ての音を聴き分けることが出来ずに、えらくシンプルな印象を受けたが、聴き込むうちに、だんだんと音の”裏”にある音の存在がどんどん大きくなり、音の洪水に溺れてしまうような異様さを感じるようになった。
本来、このような強烈な音の洪水は、やがて川となり、そして海となるはずだが、このアルバムの音たちは、実はそれぞれが孤独で、決して交わることがなく、海になることなく多数の川が平行に永遠に流れ続ける。
ここが丸い地球であることを忘れ、終わりのない川に流される畏怖。
生きながらえさせられる恐怖を感じながらも、わずかな希望に向かって歩き続けなければいけないこの世界の孤独感。
絶望的な音の中で、最も残酷なのは、時折見られる”希望”があるからかもしれない。

いまだに理解することができないこのアルバムは、20年以上にわたって、ロックを聴き続け、訳知り顔でロックを語る、私に対するトム・ヨークの挑戦なのか?
それとも、死刑宣告なのか?
これから10年、20年、私の苦悩は続くだろう・・・・。
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by saka-zuu | 2007-03-29 22:36 | MUSIC
a0034589_22455169.jpg今年になって購入して、ほぼ毎日聴きまくっているアルバム。
前作は、気にはなっていたが、ジャケットのセンスが好きではなかったこともあり、購入を見送った(なぜ?)が、本作はCD屋で視聴して、一発で気に入って購入した。

まず、1曲目が『THE END』というタイトルだということから、ただ者ではない。
2曲目の『DEAD』も、タイトルとは裏腹に、やたら明るく楽しい。
シングルでもあり、このアルバムのメインとも言うべき5曲目の、ドラマチックな展開も、完璧!!
個人的には、1〜5曲目の流れが、一気に聴けて、痛快この上ない。
プロデューサーがGREEN DAYの『AMERICAN IDIOT』と同じということで、ラウドなサウンドでありながらコンセプトアルバムとしてまとまっているのは、さすがと言えよう。
5曲目の完璧さとは対照的に、9曲目の『MAMA』のぐちゃぐちゃさが、またいい味出している。
とにかく、隙がなく、何度聴いても飽きのこないアルバムだ!!

個人的には、このアルバムを聴いて「またギターやろうかなあ〜」と思った。
思い立って、ストラトキャスターを購入したが、マイ・ケミカル・ロマンスのギターは、すべてレスポールを使っているらしい、・・・だからどうだと言われても。
レイとフランクの絶妙なギターワークには脱帽ものだが、いつか『DEAD』のソロをものにしてみせるぞ!!
・・・なんてね。
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by saka-zuu | 2007-03-23 22:57 | MUSIC

2006年 CD購入総括!!

今年も、あと2日となった。
例年、その年買ったCDで、”ベスト〜〜”というのを勝手に決めているのだが、今年は新譜をあまり買っていないので、選びにくい。
なんだか、思い返して印象に残っているのが、”紙ジャケ再発”と”ベスト盤”ばかり。

”紙ジャケ再発”に関しては、もう数年間から洋楽好きの間では流行っていたが、私自身はあまり積極的に買うことはなかった。
だって、ラックに納まり悪いやんか・・・、という理由だけではないんだけど。
どっちかと言うと、”再発”ということは、以前に買っているもの(レコード含む)をまた買うのは、どうも納得がいかない、・・・と言った方が正しいか。
しかし、そんな私の背中を押したのが、ボストンであった!!
まず、第一に、レコードは聴けない(家にプレイヤーがない)上、現在持っているCDが、音が悪すぎる、という不満を、トム・ショルツ自身が解消してくれたのだ。
価格も1.890円という、お手軽価格なので、まず恐る恐る『DON'T LOOK BACK』を買って、聴いてみると、驚く程音がいい!!
そして、1stも買ったのだが、年末になって、ジャーニーが出たことで、またまた狂って(?)しまった。
どれもこれも、”完全限定盤”ってのも、うれしいやらうれしくないやら。
なので、今年1番印象に残ったアルバムは、『FRONTIERS』です・・・・。

また、”ベスト盤”も多かった。
それにしても、U2にはやられたね!!
まさか、グリーン・デイを引っ張りだしてくるとは、反則だよ。
ただ、私のベストなベスト盤は、ジャミロクワイやったね。

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そんな中、頑張ったオリジナルアルバムのナンバ−1は、『SHINE ON/JET』。
デビューアルバムは、勢いで押し切った感じで、清々しかったが、2枚目はちょっと脳みそ使いました、って感じかな。
もちろん、パワー全開の曲も多いが、バラード曲もクオリティアップしていて、一発屋で終わらないかっこよさが随所に表現されている。
欲を言えば、今作は彼らの幅広い音楽センスを見せるためにか、バラエティも富み過ぎている感じがしないでもないので、次作はもっと飛ばしてもらいたいとも思う。

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それと、実は同点で1位としてもいいかなあ〜、と思ったのが、『BACK TO BASIC/CHRISTINA AGUILERA』。
本来なら、見向きもしないタイプのヴォーカリストだが、初めてラジオから流れてきた「AIN’T NO OTHER MAN」を聴いた時に、完全に一目(耳?)惚れしてしまった。
このアルバム限定で言えば、相当かっこいいし、完璧な歌姫だと思う。
ただ、短くても良いので、できれば1枚に凝縮してくれると、もっと内容の濃いアルバムになったのでは、と思ってしまうのは、私だけだろうか?
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by saka-zuu | 2006-12-30 21:37 | MUSIC

THE WHO 『ENDLESS WIRE』

a0034589_23433274.jpg久しぶりの音楽ネタは、話題のTHE WHOの24年ぶり(!)の新作。
一昨年の初来日(!)以来、かつてないほどの知名度をこの日本で得た直後のリリースということで、彼らのこれまでのレコードのなかでも、群を抜いて売れることだろう。
個人的にも、彼らのアルバムをリアルタイムで買うのは初めてだ。
私が学生の時分に発売されたピート・タウンゼントのソロアルバムの中に、2曲ばかりTHE WHO名義の曲があったが、それを殊更有り難がった覚えはない(もちろん買ったが・・・・)。

まず、聴く前に考えなければならないことがあった。
それは、「このアルバムは、一度解散したTHE WHOの続きではないだろう」ということ。
うまく表現出来ないが、バンドと言う物は、メンバー全員の化学反応によって彼らにしか表現出来ない世界を作る。
そうでなければ、同じギター、同じベース、同じドラムセット、同じキーボードを使って、誰かをまねして歌えば、同じ音楽が生まれてしまう。
しかし、全てのバンドが違う音楽を作り出すことが出来るのは、この化学反応があるからだ。
そこで、今回のこのアルバムであるが、亡くなってしまったキース・ムーンと、ジョン・エントウィッスルは当然いない。
もちろん、それを補うメンバーはいるが、彼らはそこで自らの音楽性を発揮するだけでなく、”THE WHO”の音を表現しなければならない。
それよりも、最も恐ろしいのは、本来メンバーであった(?)ピート・タウンゼントとロジャー・ダルトリーでさえ、24年もの間、ライヴを行ってはいるが、長い間”THE WHO”でなかったため、自らを”THE WHO”に合わせなければいけなくなっているのではないか、という危惧があった。
音楽と言う物は、表現する人間の微妙な感情や環境によって、変わっていく物だ。
それに絶えられなくなって、自らの命を落とすものもいる。
あるいは、金のために、過去の自分をコピーし続けているものもいる。
果たして、今回の”THE WHO”が、メンバー自身が自然と作り上げた物なのか?
それとも、”THE WHO”のアルバムを作らなければならないと考えながら作った物なのか?
まずはそれを検証(そんな偉そうな・・・)する必要があった。

前置きが長くなったが、早速CDをまわすと、思わず”ニヤッ”としてしまう。
オープニングのイントロが、『ババ・オライリー』そのものではないか!!
その後も、随所にTHE WHOを意識させる演出が盛り込まれ、レコードで言うB面は彼らお得意の『ミニ・オペラ』になっている。
ロジャーのヴォーカルは、以前は1本調子だなんだと言われていたが、随分と表現力豊かになっている。
また、ピートの歌も、ソロよりも生き生きとしている気がする。
サウンドは、間違いなくTHE WHOの物だし、ドラムスはキースを意識しながらも、過剰に叩き過ぎていないことに好感が持てる。
素直に聴けば、クオリティの高い、実に良く出来た素晴らしいアルバムである。

では、私の検証結果はというと・・・・。
やはり復帰作ということで、THE WHOを意識して作られているのがありありと感じられる。
しかし、今回はこれでいいと思う。
もともと、ピートという人は、最新の機材を駆使して、オリジナリティを追求してきた。
その結果、『WHO'S NEXT』や、『TOMMY』という傑作を生んでいったのである。
だからと言って、今回同じように最新機材をふんだんに使われたら、全く違う物が出来上がってしまっただろう。
つまり、音楽シーンは秒単位で進化しているが、我々ファンにとってのTHE WHOは、それぞれの最高傑作の時点で止まっているのである。
その時計を再び進めるためには、一旦その時点に針を戻してから考えなければならない。
ならば、この作品はこれで正解と言えるだろう。
ここから、続けられるのならば、徐々に現代に近づいていけば良い。
キース的なドラムスも、新作毎にザックの色合いになっていけば良いし、ジョン的なベースも、ピノのカラーに変わっていけば良い。
それが、THE WHOに馴染まなければ、また変われば良いし、変わり続けて、バンドが私の考える物から離れていけば、私が取り残されれば良い。
私は、いちファンとして、それを恐れはしない。
それよりも、ファンに媚びて自らの音楽をなぞることを潔しとするようなバンドに、THE WHOにはなってもらいたくはない。
次回作が、楽しみでもあり、不安でもあるという、現役感覚を持ち続けて欲しい。
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by saka-zuu | 2006-12-03 00:24 | MUSIC