貴重な毎日を浪費しながら、人生の約半分が過ぎた模様。これからも、いつの間にか過ぎていく時間を、傍観していく予定。


by saka-zuu
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BADFINGER「BADFINGER」

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「涙の旅路」という邦題で発売された、バッドフィンガーの74年のアルバム。
彼等は、元々ビートルズの弟分として「アイビーズ」としてデビューし、その後、バッドフィンガーと改名した。レコード会社も、デビュー後数年はアップルで、ポール・マッカートニーの作品で大ヒットを飛ばしたりしている。確かに、良質のポップアルバムを作り続けてはいるが、彼等にとって、「ビートルズの・・・」と言われるのは、苦痛だったように思う。
このアルバムは、そのアップルからワーナーに移籍して発表された、最初のアルバム。
オープニングの「I MISS YOU」の、意表をついた静かなスタートから、ラストの「ANDY NORRIS」まで、美しく、はかなく、瑞々しい曲が並ぶ。
アップル時代と比べるのもなんだが、このアルバムは、かなり雰囲気が違う。
それまでは、どこかバタ臭い感じで、田舎の匂いがしていたが、このアルバムは、かなり洗練されている。ひとつひとつの音がすっきりしている。
アルバムタイトルにバンド名を持ってきたところにも、彼等の自信がうかがえる。この後の「素敵な君(WISH YOU WERE HERE)」でさらに洗練された音が聴かれる。
私は、この最後の2枚がバッドフィンガーのアルバムとしては最も好きだ。それまでの物も、素晴らしいが、この2枚は、音がずば抜けて良い。けっして派手ではないが、ひとつひとつの音が生き生きしている。
とくに、このアルバムの9曲目の「マイ・ハート・ゴーズ・アウト」の切ない曲調が素晴らしい。夜中に一人で聴いていると、涙がでるほど美しい。もし、バッドフィンガーそのものに全く興味がなくても、この曲だけは聴いて欲しい。運良く「ロック」という音楽を聴く幸福に恵まれた私を含めた全てのひとが、もし、聴く機会があれば、きっと何かを感じられる曲だと思う。

しかし、バッドフィンガーは、その後、メンバーの自殺など、悲劇を繰り返し、何度か再結成されるが、結局、大きな成功をおさめることができなかった。
例え、バンドは消えてしまっても、音源は生き続ける。彼等が「悲劇」のバンドだったとしても、この「宝石」のようなアルバムは、消えたりはしない。

ひいき目なしに、美しいと言えるアルバムである。
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by saka-zuu | 2004-08-05 01:08 | MUSIC