貴重な毎日を浪費しながら、人生の約半分が過ぎた模様。これからも、いつの間にか過ぎていく時間を、傍観していく予定。


by saka-zuu
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BOSTON「DON'T LOOK BACK」

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ボストンって、忘れた頃にアルバムをリリースしてくる。四半世紀のうちにたったの5枚しかアルバムを出してない。なんてのんびりしてるのだろう。
この「ドント・ルック・バック」は、大ヒットしたデビューアルバム「ボストン(幻想飛行)」からわずか(?)2年のインターバルでリリースされている。今のアーチストなら、デビューアルバムがヒットすれば、次に2年のブランクなんて普通だが、当時は珍しかった。
この後の「サード・ステージ」が出るのがこの8年後だということを考えると、えらく慌ただしくつくったのかと思う。しかし、このアルバムのクオリティは、とてもそんなことを思わせない、作り込みがされている。
当時はレコードだったので、「ア・マン・アイル・ネバー・ビー」のあとにB面に移る。
とにかく、このA面部分が素晴らしい。「ボストン(幻想飛行)」でもそうだったが、A面部分は、曲が途切れずに一気に聴かせる。そして、B面部分は、色々な曲を並べる。
ボストンというバンドは、トム・ショルツという一人の男のバンドである。もちろん、他にもメンバーがいるが、ヴォーカルのブラッド・デルプ以外は、正直、誰でもいいようなもの。トム一人ですべてをできるのだから。

特に本作では、幾重にも重なるギター・オーケストレーションが素晴らしい。ボストンは、毎回誇らしげに「No Synthesizers Used,No Computers Used」とクレジットを入れる。どうやって作ったのだろうか?それに、これだけ多くのギターを重ね、オルガンを特徴的に使うのは、ボストンだけだと思う。
もともとトムは、アメリカ中の理系の秀才が集まると言われるマサチューセッツ工科大学出身で、自分でスタジオを作ってレコーディングを行う「オタク」ミュージシャン。それまでのロックミュージシャンが、反逆者的なイメージで売っていたのとは全く逆の人物。なので、詞の内容はあたりさわりなく、感動をあたえるほどでもない。しかし、作り出される音は、誰にも真似できない。もちろん、ライヴで100%再現できるサウンドではない。いや、できるはずがない。アルバムに入った状態で、完璧!音のバランス、間、そして、曲の並び。全てが完全に計算され、必然として出来上がっている。
「ドント・ルック・バック」から「ア・マン・アイル・ネバー・ビー」までを聴いて欲しい。ほんの少しでもドラムがもたついたり、ギターが歪んだりすれば、たちまちバランスを崩してしまう。同時期に爆発的に売れていた「パンク」とは、正反対の位置にあるバンドである。
そう言う意味では、エリートのロックである。不良のイメージなど、これっぽちもない。
しかし、このボストンの存在自体がロックの世界からは異端児に見える。トムのような秀才が、「反逆ロック」の象徴であるギターを、これだけ完璧に使いこなすと、どうしようもない。ギターしか能のない奴らも黙ってしまう。すごい。対抗のしようがない、完敗。
私も含めて、ほとんどの人がトムのことに目が行きがちだが、ブラッドのヴォーカルも聴き逃せない。トムは音痴なの?・・・、とうがった見方もする(全てが完璧だとくやしいから)が、ブラッドのヴォーカルも超一流。トムのテクニックに負けず、溶け込んでいる。というより、トムがブラッドのヴォーカルにあわせた音作りをしている、というほうが正しいかも。

今考えると、このアルバムが「たった」2年で作られたことは奇跡に近い。
この後のアルバムも素晴らしい。なぜか8年おきにしかリリースされないけど・・・・。全てにおいて「おそろしい」バンドである。
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by saka-zuu | 2004-07-27 00:54 | MUSIC